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シャンシャン馬「鵜戸街道」

 明治時代後期から大正時代にかけて、結婚した二人が、鵜戸街道を通って鵜戸神宮に参詣する風習がありました。

 三泊四日ほどの旅は、歩きやすい単衣(ひとえ)の着物という軽装で出発し、鵜戸神宮の参拝を済ませると折生迫(おりゅうざこ)や内海あたりで最後の宿をとり、そこに兄弟親戚がそろって祝宴を開きました。

 翌日、正装した花嫁を馬に乗せ、花婿(はなむこ)は手綱を取って家路をめざしました。馬に付けた鈴がシャンシャンと鳴るようすから「シャンシャン馬」と呼ばれ、「鵜戸さん参りは春三月よ~」(シャンシャン馬道中唄)と唄われました。

 本郷の中心を通る県道367号中村木崎線は、宮崎市中村から城ヶ崎、赤江、南方、郡司分、熊野、そして折生迫を海岸づたいに南下し、七浦七峠を越えて鵜戸へと続く約58kmの「鵜戸街道」の一部でした。江戸時代は鵜戸神宮往還(おうかん)と呼ばれていました。

1939年2月11日に復活再現されたシャンシャン馬〈写真提供:宮崎交通〉

宮崎神宮大祭のパレードで披露されている

シャンシャン馬